音楽の話 ドイツ歌曲の引用
EVAの二次創作をチェックするのはもはや日課となっているのですが。
アスカがドイツ系だからか、ドイツ歌曲を引用した作品というのも今までに二つ見たこと有ります。
……でもね。歌詞の内容ちゃんと考えましょうよ、とか思っちゃったんですが。
ひとつは「菩提樹」(Die Lindenbaum)。シューベルトの歌曲集「冬の旅」の5曲目で、もっとも有名な曲ですが。
「菩提樹よ。おまえは私に安らぎの場所を与えてくれる」といった歌詞の内容だと思っている人多いんですね。まぁ、民謡化したほうを翻訳している訳詞版だとそういった内容でしか書かれていないからもあるんですが。
その二次創作作品の中では、本編パラレルで、第三新東京に訪れる前のシンジにアスカが出会い、一緒に歌う、といったシーンがあります。
でもこの歌。実はラストあたりで急変する曲です。要約すると「優しい菩提樹の陰から私は離れて、帽子を捨てて旅立つのだ」となっています。
この帽子というのが重要で、今でもなおドイツの職人は師弟制であり、また、昔の職人は街々を旅しながら修行をしていました。その際、職人であるという身分を証明するのが、帽子だったのです。
つまり、この曲は「恋に破れて仕事を捨てて放浪の旅に出ようとする男の旅立ちの歌」なんですね。
もう一つは「二人の擲弾兵」(Die Beiden Grenadiere)。シューマンの名曲ですが。
コレを引用した二次創作作品の中では、「私たちにはぴったりの曲だ」と言うアスカの台詞があります。
でも、コレってドイツの歌ですけどフランス兵を歌った歌ですよ?(汗
しかも、半ば諦めの歌です。
「(敵陣を二人で帰還している際の会話)俺の家族は乞食でも何でもして生きていけるさ/しかし、我らの(ナポレオン)皇帝陛下が敵に捕らわれてしまったんだ/もし俺が死んだらこの道に埋めてくれ/もし、皇帝陛下が再度この道を進軍なさるときには進軍ラッパの音で墓の中で目を覚ますだろう/そして俺はまた皇帝陛下の軍列に加わるのだ」
どーもそぐわない気がするのですが、いかがでしょう?
歌自体はすごくかっこいい歌です。愁嘆的な前半から復活を高らかに予言する後半までの緩急や終盤のラ・マルセイエーズのメロディに乗せた力強い歌は聴き映えがするためによく芸大などの試験で歌われるそうです。私も好きな曲ですが。
でも、上のような使われ方をするのはやっぱり知名度がないんですかね。


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